地下水は、井戸を掘ってポンプで引き上げる手間やコストはかかりますが、基本的にタダで使える資源です。
こうした、地下水活用のメリット・デメリットについて紹介します。
【地下水を利用するメリット】
(1)無料で使える
上水道を利用する際、多くの自治体では基本料金と使用量に応じた料金がかかってきます。
地下水の場合、水をくみ上げるポンプを動かす電気代を除けば、基本的にはタダで利用できます。特に水道料金が他地域より高いエリアでは、その効果は大きくなります。
(2)水温が一定
地下水は文字通り地下を流れている水のため、地表の外気温による影響をほとんど受けません。そのため、年間を通じて一定の温度を保っています。
水道水と比較して、冬場は加熱するエネルギーが少なく、また夏場は冷却するエネルギーが少なくて済み、エネルギーコストを抑えることも可能です。
(3)ニオイや味がない
水道水には、安全性を確保するためにカルキ(塩素)が含まれています。健康には害がないとはいえ、味やニオイが気になる方も多いのではないでしょうか。
一方、良質の地下水であればこうした薬品等を使って処理する必要がないため、純粋な水を提供できます。
(4)災害時でも利用できる
震災などで断水しても、地下水なら利用が可能。事業継続(BCP)に有効なのはもちろん、地域住民へ安全な水を提供できるなど社会貢献(CSR)も可能です。
【地下水を利用するデメリット】
(1)イニシャルコストがかかる
地下水を利用するには、まず井戸を掘削する必要があります。水が出たらポンプなど水をくみ上げる設備が必要になります。また、水質によっては浄水装置を設置して飲める水にろ過する必要があります。
(2)ランニングコストがかかる
水はタダでも、くみ上げるポンプを動かす電力が必要です。また、ポンプをはじめ各施設のメンテナンスにもコストがかかります。
ただし、電気代は水道代(上水道料金)に比べて圧倒的に安くなります。地域にもよりますが、メンテナンスコストを含めても水道料金よりも安くなるエリアがほとんどです。
(3)水質・水量が十分でない場合がある
地下水の水質は場所によって違うため、飲み水として適さないものが出ることもあります。カルシウム等が多い硬水が出たり、細菌や有害物質が基準以上に含まれていたりと、安全に飲める水が必ず出るとは限りません。
また、水量も浅い井戸の場合は変化しやすく、一定の量を確保できないこともあります。
なお、当社では井戸掘削後に揚水試験および水質試験を行い、水質・水量ともに安定した水を提供できるよう努めています。
(4)停電時に使えない
水をくみ上げるポンプや、ろ過をする設備などは電気で動作するため、停電時には使えません。
こうした事態を防ぐために、非常電源の設置を当社では推奨しています。
非常用発電機の容量に余裕がない、もしくはお持ちでない事業者様も、当社までご相談ください。