先日、今年(2016年)の水不足問題が大きく報道がされました。5月・6月の雨量が極端に少なく、地域によっては夏を迎えるまでに水が不足すると予想され、東京都は上水使用規制も実施しています。そして水不足は、利島においては島民の生活を脅かすところまで深刻化していました。
海水淡水化装置の故障….
島の生活を支えているのは、海の水をろ過し生活用水にする“海水淡水化装置”でした。海から汲み上げた水はろ過されて島民の住宅へ送られます。その大切なライフラインの海水淡水化装置が5月上旬に故障し水をろ過できなくなってしまったのです。
恵みの雨が降らない…
そして追い打ちをかけるように雨が降らない日々が続きました。島の貯水池の水は通常の1/10まで減り、いよいよ島民の生活がままならなくなる可能性が高くなりました。本土から高速船で約2時間の場所にある島でのトラブルでしたので、急な出来事に対応できる業者はなかなか見つからなかったそうです。
すぐに渇水応急対策を!
島の村長から相談を受けた当社は、すぐに新しい装置の用意と島へ向かう技術者を手配しました。装置の仕様はどうするべきか、部材はどこが早く手配できるか、技術員はどの程度必要か。海水淡水化装置の改修計画は「島民の命がかかっている!」という責任・使命感と一刻を争う緊張感のもと行われました。
【船便で管材等を速やかに島へ移送】
いざ、島へ...
【海水淡水化装置を設置】
【海水淡水化装置で処理した水を送水管で貯水槽へ】
【工事完了までは、造水機2台で緊急対応】
【造水機で処理した水をポリタンクへ充填】
【井戸の水中ポンプを交換】
【揚水を確認】
【島の既存井戸を改修完了】
入念な改修工事計画を立てていたので、工事はスムーズに行われました。また島に到着してからは、たくさんの島民の皆さまにご協力を頂きました。利島村役場の皆さまには、作業員が過ごしやすいようなお気遣いを頂き、島の民間企業の皆さまからは機材をクレーンで運んで頂くなど多大なご支援のもと作業に当たることが出来ました。
現場には技術員だけでなく、普段は営業として各地を飛び回っている社員も駆けつけました。社員が一丸となって作業を進め予定通りに工事は完了し、給水が開始されました。「何とか、間に合ってよかった。」島に行った社員はもちろん、会社に残ったスタッフを含め、ホッと安心した瞬間でした。
当社の海水淡水化システム
当社のこうした素早い対応を可能としたのが、様々な海水淡水化装置の製造や運用の経験でした。
ミネラルが高い深層水を海水から回収し、淡水と濃縮海水を同時に造るトータルメンテナンスシステムです。設造水量に応じた最適設計で、完全ユニット化をすることで運搬設置が容易に行えます。また、様々な用途に応じた仕様も準備いたします。
深層水の採取にも、濃縮海水から自然塩の原料としてもご使用いただけます。
【導入実績】飲料メーカー、食品メーカー
海水から淡水と濃縮海水を簡単に確保します。小型ユニット化され、簡単に操作できます。
沿岸地区の自治体に、非常時に海水から飲み水を得る用途でご採用いただいています。
【導入実績】自治体、工場など
さいごに
当社では常にスピードもって安心・安全な水を提供することを心がけており、今回のような予期しないトラブルにおいても迅速な対応を実現します。水質改善から水道経費削減など、お客様のご要望に合わせて様々な提案を致しますので、地下水活用システムや海水淡水化システムにご興味がございましたら、ぜひ一度ご相談下さい。