地下水についての基礎知識

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地下水とは何か

一般的には、地表面より下に存在する水の総称とされています。
利用するために井戸によって汲み上げられた水については、井戸水とも呼びます。
地下には、粒が大きい土で構成されていて水が浸透しやすい「帯水層」と、
粒が小さく密になっている粘土等で構成されていて水が浸透しにくい「不透水層(難透水層)」があり、
井戸水を利用する際は帯水層から汲み上げることになります。

帯水層にも種類があり、
雨や河川水が浸透してそのまま地下水となるような地表面付近の「不圧帯水層」と、
不透水層にフタをされて圧力が掛かっている「被圧帯水層」とに大別されます。
取水するために井戸を掘る場合は、不圧帯水層から取水する井戸を「浅井戸」
被圧帯水層から取水する井戸を「深井戸」と呼びます。

 地下水の流れと仕組みに関する説明

 

地下水を利用するメリット

メリット1:上水道よりも単価が安い場合が多く、運用益を出すことができる
全国各地の自治体では、水道料金の値上げが相次いでいます。
実際に2021年7月には、黒字で有名な神奈川県横浜市でさえ平均で12%ほど水道単価が上昇しました。
これは、例えば値上げ前は年間600万円だった使用料が672万円になってしまうほどの価格上昇です。
上記のように高騰傾向にある上水道に比べると地下水は安価である場合が多く、
水道経費の2~5割の削減が期待できます。

 

メリット2:断水時の水の供給手段となる
上水と地下水で水源の二重化を行うことで、大規模災害時の水の確保が容易になります。
これにより、災害時の事業継続のためのBCP策定の一助となることが可能です。
さらに、近隣住民に水を配るといった地域貢献活動(CSR)も実現できます。
災害備蓄として場所を取らずに保管しておける給水袋も取り扱っておりますので、
手ぶらでお越しいただいた方にも十分な量の水をお渡しすることが可能です。

災害時に給水袋で水を補給して持ち帰る姿

 

メリット3:温度が一定である
一般的な水道水とは異なり、地下水は年間を通して水温が17℃程度と一定の温度を保っています。
そのため、冷却したり温めたりする際のエネルギーのロスを低減できます。
ヒートポンプなどの熱エネルギーを利用する装置を用いる場合にも、
設計時に想定された温度と運用時の温度の乖離による熱移動効率の低下を防止する効果が期待できます。

 

地下水を利用する際の注意点

注意点1:地下水の水量や水質によっては、単価が安くならない場合がある

実際に井戸を掘って水量や水質を確認した際に、当初の予想とは異なる結果が出る場合があります。
その地域の水道単価との兼ね合いも考慮した上で、
最初の提案時と同様の水量や金額でのご提案が難しいとの判断に至った場合は、
当社の負担と責任において井戸を埋め戻し、原状復帰を行います。ご安心ください。 

 

 

注意点2:停電時は利用不可

大半の井戸は電力によってポンプを動かして揚水しているため、停電時は水が供給されなくなります。
とは言え、ライフラインの復旧が電気>水道>ガスの順番であることを考慮すれば、
やはり電気を水に変えることができることは事業の継続にとって重要であると考えられます。
実際に、東日本大震災においては、
電気は地震発生1日後に52%、3日後に78%、1週間後に98%の世帯で復旧が完了したのに対し、
水道は3日後に50%、1週間後でも66%の世帯でしか復旧が完了しませんでした。
もちろん当社では非常用発電機も取り扱っておりますので、お客様に合わせた最適なご提案が可能です。

 

 

注意点3:初期投資費や維持管理費が掛かる場合がある

当社の地下水活用プラントをお買い上げいただく場合は、
プラント自体の料金やその後のメンテナンス料金が掛かる形になります。
しかしながら、初期投資費や維持管理費が当社負担となるオンサイト方式でのご提案が可能です。
こちらの方式では、水道単価に上記の費用を織り込んだうえでご提案する形になりますので、
導入初年度から水道経費の削減が実現できます。是非ご一考ください。

 

 

 

地下水の安全性について

地下水の水質は地域によって大きな差がありますが、一般的には、
取水位置が深ければ深いほど地表の汚染物質の影響を受けづらいと言われています。
当社では、上述したような「不透水層」を1~2層掘り下げた深い場所の「被圧帯水層」から取水する
「深井戸」をメインとしています。おおよそ地下100m付近まで掘り下げる場合が大半ですので、
ご安心ください。

また、深井戸は浅井戸と比べると地盤沈下を引き起こす可能性も低いため、
近隣への影響も最小限に抑えられます。

 

さらに、当社では、

・地域ごとの水質の特色やお客様のご希望の水質に合わせた、経験豊富な自社設計者によるプラントの設計および自社工場での製造
・24時間365日稼働している遠隔監視装置による水質・水量異常の検知システムと、自社技術員によるプラントの定期的な整備点検や上記トラブル発生時の緊急対応
・当社と資本関係の無い第三者機関への水質検査の委託

といった体制により、お客様に安心・安全な水をお届けいたします。

地下水活用システムについてさらに知りたい事業者様は、是非こちらのページをご覧ください。


よくあるご質問

井戸水を利用することで、地盤沈下の問題はありませんか?
地盤沈下が起きる心配はありません。
また、高度経済成長期に問題になった地盤沈下では、1社あたり数千m3もの水を毎日取水していたため起きたものでした。当社で提供するシステムは1日100~300m3程度かつ、法令に準じた揚水を行うので、地盤沈下が起きる心配はありません。
井戸はどの程度の深さまで掘るのですか?
場所によって異なりますが、おおよそ100m前後です。
行政への届け出は必要ですか?
当社が各種手続きを代行いたします。井戸水の取水には、自治体で定められた条例に従うとともに、行政との協議が必要になります。そのうえで、井戸の掘削深度、取水深度、揚水ポンプのサイズ、揚水管のサイズを検討していきます。
工事期間はどの程度の長さになりますか?
地域や井戸の深さにもよりますが、掘るのに1ヶ月程度、その後の水質検査などの分析におおよそ2週間、専用水道の申請に1ヶ月、水処理プラントの設置工事は規模にもよりますが1~3ヶ月程度の期間を要します。井戸水が利用できるようになるのは、合計して約4~5ヶ月程度お時間を頂く形になります。また、新型コロナウイルスによる世界的な物流の混乱により、さらにお時間を頂く場合もございます。ご了承ください。
工事中は断水するのですか?
工事に伴う断水はございません。よって、工事中でも上水道をご利用いただけます。
上水道は利用しなくなるのですか?
ある程度は利用します。当社の地下水活用・工業用水活用システムでは、全体使用水量のうち10~20%程度は上水道を継続してお使いいただきます。併用により、万が一のプラントの故障や水量変化などに際しての上水道への自動切り替えが実現できます。
プラントの設置スペースはどの程度必要ですか?
規模や立地といった条件にも左右されますが、一例としては、毎時5㎥を処理するプラントであれば駐車スペース2~3台分が必要です。場合によっては、ポンプ一体型の水槽を使った省スペースなご提案なども可能です。
停電時には、利用できないのでは?
停電時はポンプの稼働が制限されるためプラントは停止いたしますが、当社では高性能・低騒音・安全な国産メーカーの小型発電機のご提案も承っております。
非常用発電機をお持ちでない、もしくは容量に余裕がない事業者様も、是非ご相談ください。
飲用に適さない水が出たり、途中で水質が悪化したりしたらどうなりますか?
飲料水の基準を満たさない水が出た場合、不純物を除去する各種浄水装置を設置いたします。また、設備の改良や部品交換といった定期的なメンテナンスを行うことで、水質を安定させることができるよう努めてまいります。
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